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【韓国の会計・税務レポート】国外財産贈与に対する贈与税課税特例

居住者が国外に所有する財産を非居住者に贈与する場合、国家間贈与税課税形態の差異により、両国とも贈与税を課税しない国際的な二重非課税という結果が発生する可能性があります。韓国の税法では、このような現象を補完するため、居住者が非居住者に国外財産を贈与する際に適用すべき贈与税課税特例規定を別途おいています。

今回は、国外財産贈与に対する贈与税課税特例規定について説明します。

 

1. 概要


韓国の相続税及び贈与税法(以下、「相贈法」という)では、贈与税を課税するに当たり、取得課税型、即ち、取得した者(受贈者)の取得行為に対し課税する方式をとっています。従って、居住者が国外に所有する財産を非居住者に贈与する場合は、韓国で贈与税を課税することができません。この場合、その非居住者の居住地国で贈与税について取得課税型をとっているようであれば、その非居住者の居住地国で贈与税が課税されます。

しかし、仮にその非居住者の居住地国が遺産課税型、即ち、贈与した者(贈与者)の贈与行為に対し課税する方式をとっているようであれば、その財産がこの非居住者の居住地国に所在していない限り、その非居住者の居住地国でも課税できないため、両国とも贈与税を課税しないという結果が発生します。

このような国際的な二重非課税の発生を防止するため、韓国の国際租税調整に関する法律(以下、「国租法」という)では、上記のような相贈税法の規定に優先して、居住者が非居住者に国外財産を贈与する際は、居住者である贈与者に贈与税を賦課することと規定しています。

根拠法

贈与税納税義務者

相贈税法

ž   居住者として国内外の財産を取得した者

ž   非居住者として国内財産や国外金融資産を取得した者

国租法

ž   非居住者に国外財産を贈与した居住者

 

2. 具体的な内容


(1) 国外財産に対する贈与者の贈与税納税義務

居住者が非居住者に国外に所有する財産*1を贈与する場合、その贈与者は国租法により韓国で贈与税を納付する義務があります。但し、受贈者が贈与者の特殊関係者ではない場合で、当該財産に対し外国の法令により贈与税が賦課される場合は、韓国での贈与税納税義務は免除されます。

贈与者及び受贈者間の特殊関係可否、外国法令による贈与税賦課可否により、居住者に発生する贈与税納税可否を要約すると、以下の通りです。

区分

外国法令により贈与税が
賦課されない場合

外国法令により贈与税が
賦課される場合

贈与者&受贈者間に
特殊関係がある場合

贈与者が贈与税納付

贈与者が贈与税納付*2

贈与者&受贈者間に
特殊関係がない場合

贈与者が贈与税納付

贈与税免除

*1 非居住者が居住者より贈与を受けた①海外金融会社に開設した口座に保有している財産、②贈与財産取得日現在における資産総額のうち、国内所在資産価額が占める比率が50%以上の外国法人の株式は、財産範囲から除外されます。

*2 国際的二重課税調整のため、国外財産に対し外国法令により納付した贈与税相当額は、外国納付税額として控除を受けることができます。下記に改めて説明します。

 

(2) 贈与財産価格

贈与財産の価額は、贈与財産の所在する国家の贈与当時の現況を反映した時価によります。但し、時価を算定し難い場合は、当該財産の種類、規模、取引状況等を考慮して、次の方法により算定しなければなりません。

①    有価証券の時価

実際の売買価格、公信力のある鑑定機関の鑑定価額、報償価額を時価とみなします。このような価格がない場合は、上場株式は評価基準日前後各2ヶ月間の毎日の終値平均額で、非上場株式は純資産価値と純損益価値を考慮して評価します。

②    有価証券以外の資産の時価

以下の順で時価を適用します。

a. 贈与日前後6ヶ月以内に行われた実際の売買価額

b. 贈与日前後6ヶ月以内に公信力のある鑑定機関が評価した鑑定価額

c. 贈与日前後6ヶ月以内に受容などを通して確定された贈与財産の報償価額

③    時価が確認できない場合

時価が確認できない場合の課税価額の算定は、相贈税法を準用して評価しなければなりません。

 

(3) 外国納付贈与税の控除

上表で、贈与者&受贈者間に特殊関係がある場合/外国法令により贈与税が賦課される場合は、韓国で贈与者が贈与税を納付しなければなりませんが、この際、外国法令により納付した贈与税を外国納付税額として控除を受けることができます。

①    外国納付贈与税の範囲

贈与税を計算する際、外国の法令により贈与税を納付した場合は、贈与税納付義務者が実際に外国政府に納付した下記の通りの外国納付税額を贈与税算出税額から控除します。

✓ 贈与を原因として課税し、贈与した財産の価額を標準にして外国の法令により賦課された租税の税額

✓ 1による税額の付加価値税額

②    外国納付税額控除の申請

外国納付税額控除を受けることを希望する居住者は、贈与税課税標準を申告する際、外国納付税額控除申請書と共に証明書類を納税地管轄税務署長に提出しなければなりません。

 

 

‐以上‐

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