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【韓国の会計・税務レポート】内国法人等の国際取引課税の実態に対する監査報告書

監査院(日本の会計検査院に該当)は、去る4月25日に内国法人等の国際取引課税の実態に対する監査結果を発表しました。

内国法人等の国際取引課税の実態を調査して国際取引を利用した租税回避行為を防止し、課税権強化に必要な措置を誘導するため、租税法令を運用している企画財政部税制室、租税法令を執行している国税庁(6箇所の地方国税庁を含む)及び課税処分に対する審判請求を担当している租税審判院を対象に、2016年11月7日から12月2日まで監査が行われました。重点となった監査対象は、課税基盤整備の実態、国内所得源泉徴収の実態及び租税回避防止の実態に対する調査でした。

以下では、監査報告書の内容の中から、国際租税専門担当人員、外国法人・外国人投資法人に対する調査実績、主要監査内容をご紹介します。

 

1. 国際租税専門担当人員

国税庁(地方国税庁を含む)の国際租税専門担当人員は、2016年8月末現在342名です。2010年の187名より155名増加しました。

企画財政部

税制室

国際租税制度課

8

国際租税協力課

6

国税庁

国際租税管理官

国際協力担当官室

16

国際税源管理担当官室

20

域外脱税情報担当官室

27

相互合意チーム

11

調査局

国際調査課

29

地方国税庁

ソウル地方国税庁

国際租税系

10

国際取引調査局

170

中部地方国税庁

国際租税系

7

国際取引調査局

40

大田・光州・大邱・釜山地方国税庁

法人納税課

12

 

2. 外国法人・外国人投資法人に対する調査実績

(単位:個、億ウォン)

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

法人数

追徴額

法人数

追徴額

法人数

追徴額

法人数

追徴額

法人数

追徴額

192

5,270

158

4,906

182

8,535

204

5,558

146

6,130

 

3. 主要監査内容

 

(1)     ベトナム外国人契約者税と関連する外国納付税額控除の運用の不適正性

ベトナムは、外国人又は外国法人に対する個人所得税・企業所得税及び付加価値税を、外国人契約者税(FCWT、Foreign Contractor Withholding Tax)として課税しています。FCWTは、法人税法上の外国納付税額控除の対象になりますが、韓国法人がベトナムに恒久的施設を保有していない場合、或いは、恒久的施設を保有していても恒久的施設に帰属する所得自体がない場合は、ベトナムに課税権がないため、韓国法人がFCWTを納付しても外国納付税額控除の対象にはなりません。

ベトナムで納付した税額について、外国納付税額控除を申請した554法人のうち244法人を調査した結果、15法人に対しては控除を受けた外国納付税額を追加徴収し、7法人に対しては繰越された外国納付税額控除額を減算することと国税庁に勧告する一方、37法人に対しては外国納付税額控除を認め、二重課税にならない方案を備えることを企画財政部に勧告しました。

 

(2)     売上申告漏れ業者の租税脱税の嫌疑に対する調査業務処理の不適正性

海外供給業者より送金された販売仲介手数料の売上申告漏れの嫌疑に対する調査が適正でないと指摘し、当該業者を税務調査対象に選定して調査する方案を備えることを国税庁に通知しました。

 

(3)     配当所得源泉税と関連した調査範囲を拡大しないことに対する不適正性

配当に対する軽減税率は、韓国・ノルウェイ租税条約では15%ですが、韓国・マルタ共和国租税条約では5%に過ぎません。収益的所有者をノルウェイ法人とみなし、2010~2014事業年度の配当金に対する軽減税率を15%適用して源泉税を更正したにもかかわらず、2015事業年度に5%の軽減税率を適用して申告納付した源泉税に対しても追加更正しなければなりませんが、調査範囲を拡大せずにそのまま調査を終了したことに対し、追加徴収することを国税庁に要求しました。

 

(4)     国外非上場株式の高価譲受に対する税源管理の不適正性

特殊関係者より取得した事業開始後1年7ヶ月しか経ていない国外非上場株式について、キャッシュ・フロー割引法(Discounted Cash Flow)で評価した金額と、相贈税法上の純資産価値法により評価した金額との間の差額を是正するよう国税庁に通知しました。

 

(5)     外国法人の使用料所得に対する法人税の未徴収

内国法人が商標権等の権利を使用して外国法人に対価を支払う場合、同代価は使用料所得に該当し、使用料所得を支払う者は法人税を源泉徴収しなければなりません。監査院は、4業者が使用料所得を支払ったものの法人税を源泉徴収していないことを指摘しました。

 

(6)     業務無関係の仮払金に対する法人税の未徴収

監査院は、中国に所在する子会社からの配当金の遅延回収を、実質的な資金貸与とみなして法人税を徴収することを国税庁に要求しました。

 

- 以上 -

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