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2023事業年度監査契約締結時の留意事項及び独立性違反事例

金融監督院は、12月決算法人の2023事業年度周期的指定制[1]による通知を実施しました。
監査人の指定を受けていない外部監査対象会社は、
外部監査法に基づく選任期限[2]及び選任手続き[3]を遵守して監査人を選任しなければなりません。
金融監督院は、2023年度に新外部監査法に基づく周期的指定制の初年度(2019年)に
監査人が指定されていた193社の指定期間(2020年~2022年)が満了するため、
これらの会社の自由選任契約を受任するための会計業界内の競争過熱を懸念し、
監査契約締結時の留意事項及び違反事例を発表しました。

以下では、金融監督院が11月28日に発表した留意事項及び独立性違反事例について紹介します。

 

1.留意事項

(1) 監査人の留意すべき事項

会計法人は外部監査法等により監査業務特性を考慮して適格な人材を十分に投入できるよう
合理的な監査契約条件を用意し、独立性違反に対し綿密に検討しなければならない。
監査投入時間は、標準監査時間、会社特性、監査リスク及び監査人の判断等を考慮して計画し、
文書化して会社に提示し、監査受任以前だけでなく監査業務期間中にも
監査人の独立性を違反しないよう徹底に点検しなければならない。

 

(2) 会社が留意すべき事項

監事・監査委員会は監査人選任前に監査品質等監査人選任関連遵守事項を文書化し、
独立性違反等利害衝突の余地がないか検討し、
財務諸表の信頼性を低下させないよう留意しなければならない。
監査人が提示した監査報酬及び監査時間、監査人材、監査計画及び監査品質(専門性)等を検討し、
文書化しなければならない。監査が終了し監査報告書の提出を受けた場合、
監査人選定と関連し文書化した事項を監査人が遵守しているかを確認しなければならない。

 

2.独立性違反事例

(1) 被監査人が禁止された非監査役務遂行後に外部監査遂行

<事例1> 会計基準書導入のための役務を遂行した法人が当該会社と監査契約を締結

A会計法人はB社の新基準書(x3年施行)を導入するための諮問役務を遂行(x0年3月~x2年11月)し、
B社と新基準書を導入した初年度(x3年)の財務諸表に対する外部監査契約を締結

⇒  監査業務期間中に提供が禁止された非認証業務(新基準導入役務)を監査業務着手以前に提供し、
当該財務諸表に対する監査業務を遂行する場合、自己レビューの脅威により独立性違反発生

 

<事例2> 内部会計管理制度構築役務を遂行した法人が当該会社と監査契約を締結

A会計法人はB社の連結内部会計管理制度を構築する役務を遂行(x0年8月~x2年11月)し、
連結内部会計管理制度に対する外部監査法上監査初年度(x3年)の監査契約を締結

⇒  監査業務期間中に提供が禁止された非認証業務(内部会計管理制度の構築役務)を監査業務着手以前に提供し、
当該財務諸表に対する監査業務を遂行する場合、自己レビューの脅威により独立性違反発生

 

(2) 従属会社に対するコンサルティング等の非監査サービスの提供

<事例1> 従属会社に対する非監査役務遂行中に親会社と外部監査契約を締結

A会計法人はx1年3月からB社の従属会社であるC社の財務管理基準構築
及び内部会計管理制度アップデート役務を遂行中に、
同年6月に親会社であるB社と当該年度外部監査契約を締結

⇒  独立性適用対象会社の範囲は連結対象支配·従属関係を含むため公認会計士法違反に該当

 

<事例2> 親会社との証明業務契約締結後、従属会社に非監査サービスを提供

A会計法人はx1年8月にB社(支配会社)の海外市場への上場のための
証明業務(Comfort Letter作成)契約を締結したが、x2年5月にB社が上場計画を保留したため、
契約書上の結果物(Comfort Letter)は作成されない。
一方、A会計法人はx2年1月~4月中にC社(B社の従属会社)と
資産売却のための実査契約を締結し、関連業務を遂行

⇒  独立性判断は監査だけでなく証明業務も含まれ、
会社範囲も連結対象支配・従属関係に拡大されたため、公認会計士法違反に該当

 

(3) 監査人の財務諸表作成支援

<事例> 財務諸表の作成支援及び外部監査の同時遂行

A会計法人はB社の外部監査人であり、監査担当取締役Cは会社から財務諸表の草案を受領し
半期検討及び中間監査を通じて把握したイシュー事項の反映可否を検討した後、
修正必要金額及び関連修正分を会社に送付。
会社は監査人が提示した修正事項に従って財務諸表を再作成し、
期末監査目的で監査人に提示し、Aは同財務諸表に対する外部監査を遂行

⇒  会社が財務諸表の草案を作成したとしても、監査人が監査対象財務諸表の作成に必要な計算又は会計仕訳を代えることは外部監査法違反に該当

 

(4) 同一取締役の交替義務違反

<事例1> 上場企業の同一取締役の交替義務違反

A会計法人はコスダック上場法人であるB社のx1年~x4年の4事業年度に対する
外部監査を同一の取締役であるAに遂行させる。
但し、B社は初年度監査契約(x1年2月)当時は非上場であったが、同年12月にコスダックに上場

⇒  初年度監査契約当時に非上場会社であっても、期中に上場した場合は当該年度を上場1年目とみて連続監査は3事業年度まで可能である。そのため、外部監査法違反に該当

 

<事例2> 大手非上場企業の同一取締役の交替義務違反

A会計法人は非上場B社(12月末決算法人)の2019年~2022年の4事業年度に対する外部監査を
同一取締役であるAに行わせる。
但し、初年度監査契約(2019年2月)当時、B社は中小型非上場会社であったが、
2020事業年度から大型非上場会社に該当(2019事業年度末基準で資産総額1千億ウォン以上)

⇒  会社(B社)が現時点で大型非上場株式会社に該当する場合、過去の大型非上場株式会社ではなかった期間も含めて計算するため、連続監査は3事業年度まで可能である。そのため、外部監査法違反に該当

 


[1] 周期的指定制とは、上場企業と所有・経営が分離されていない大型非上場株式会社が6年連続監査人を自由選任した場合、以後3年間は金融委員会の傘下証券先物委員会が指定する監査人を選任するようにする制度

[2] 資産2兆ウォン以上の上場会社は、2023年1月2日まで、その他外部監査対象会社は2023年2月14日まで

[3] 監査委員会又は監査人選任委員会の承認を得て、監査役を選任

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