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【韓国の会計・税務レポート】金融監督院の2019年会計審査・監理業務の運営計画

金融監督院は、「株式会社等の外部監査に関する法律(以下、‘新外監法’と言う)」により全面改編された下位法規に合わせ、会計脆弱分野及び大規模企業に対する監視の強化、実効性のある財務諸表審査制度の定着等に重点をおいた2019年会計審査・監理業務運営計画を用意し、5月13日付けで発表しました。以下では、同内容について紹介します。

 

1.運営目標

(1)    会計情報の透明性・信頼性を高め、資本市場秩序を確立

(2)    新外監法の体制に合わせて改編された会計監督枠の具現

 

2.重点推進事項

(1)   会計脆弱部門に対する会計監視の強化

国内外景気沈滞の長期化により企業実績が悪化し、不実を隠すための粉飾会計の誘因が増加するものと予想されるため、

1)   会計粉飾の可能性の高い会計脆弱分野(上場廃止条件を回避するための架空売上や損益操作等が発生する可能性のある企業)と、会計粉飾発生時に社会的影響が大きい大規模企業に対して重点的にモニタリングを実施し、

2)   資本市場秩序を毀損して多数の投資家に対して被害をもたらす、経営の意図なく無資本で上場会社を引き受けた後、横領・背任等で上場廃止を招く企業に対しては、企画審査を実施し、

3)   効果的な会計監視をするため、合同監査班を構成して運営する予定です。

 

(2)会計情報の迅速な訂正誘導を通じた投資家の保護

IFRS導入後、会計処理の複雑化等により、会計監理の開始から財務諸表の訂正まで相当な時間がかかることにより、正しくない情報が長期間使用されて投資家の被害が発生する恐れがあるため、

1)   迅速な自主訂正を誘導し、投資家に正しい情報を適時提供できるようにし、

2)   核心事項・特異事項を中心に審査し、監査人指定制との連携等を通じて上場法人等の財務諸表に対する点検を拡大し、

3)   非反復的な過失や誤謬に対しては、修正勧告に従う場合、軽措置で終結して企業の監理負担を緩和するものの、

4)   投資家の意思決定に重大な影響を及ぼす可能性のある重要な誤謬に対しては、厳重に措置する予定です。

 

(3)制裁措置の合理化

制裁措置に対する受容を高めるため、会計基準違反時に制裁水準等を合理化し、被措置者の権益も保護するため、

1)   非故意的で、金額的に重要性の低い会計違反に対しては、措置水準を軽減するものの、

2)   故意的な会計違反に対しては、絶対粉飾金額基準を導入し、課金賦課等を通じて厳重に措置し、

3)   会計基準に対する解釈が明確でないことにより、市場の不確実性をもたらす部分に対しては、具体的な会計監督指針等を提供する予定です。

 

(4)監査品質に対する会計法人の責任制強化

営業実績を優先にする会計法人の組織文化、会計監査を忌避する会計士の増加、会計粉飾と関連した社会的責任に対する反省の不足等により監査品質が下落する可能性があるため、

1)   随時報告、事業報告書の開示拡大及び品質管理水準の評価等新しい制度の円滑な施行のための具体的な施行方案を備え、

2)   重大な監査不実が発生する場合、監査人と会計法人の代表理事に対し厳重に措置し、

3)   品質管理の脆弱部門に対し集中的に監理し、重要な監査手続きの遵守可否に対する点検を強化する予定です。

 

3.審査・監理対象

(1) 財務諸表の審査・監理

2019年に上場した法人169社に対する財務諸表の審査・監理を実施する予定で、前年の126社に比べて大幅に規模が増加しています。

(2)会計法人の監査品質管理に対する監理

7つの会計法人の監査品質管理に対する監理を実施する予定であり、アメリカのPCAOB(上場会社会計監督委員会)の国内会計法人に対する検査時に緊密な協力体制を維持する予定です。

 

- 以上 -

 

 

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