- 2016年6月16日
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【韓国の会計・税務レポート】居住者と非居住者の区分
韓国の税法では、納税者が韓国の居住者であるか、或いは非居住者であるかにより、課税対象所得の範囲及び課税可否を区別して適用しています。従って、居住者と非居住者の区分が納税義務の範囲に大きな影響を及ぼすため、これを判断する基準について、知っておく必要があります。居住者であるか、或いは非居住者であるかについては、国籍、住民登録、外国人登録及び海外移住と関係なく、生活関係の客観的な事実を基準に判断します。
今回は、居住者と非居住者の具体的な判定基準について説明します。
1. 概要
韓国内に住所をおいているか、或いは183日以上の居所をおいている個人を居住者と言い、居住者でない者を非居住者と言います。
区分 |
判定基準 |
納税義務 |
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居住者 |
永久居住者 |
国内住所、又は183日以上の国内居所がある個人で、 非永久居住者ではない者 |
国内外所得に対する無制限納税義務 |
非永久居住者 |
国内住所、又は183日以上の国内居所がある個人で、 当該課税期間終了日10年前から国内に住所や居所をおいている期間の合計が5年以下の外国人。但し、韓国国籍を持つ海外永住権者は除く。 |
国内源泉所得に対する制限納税義務、国外源泉所得の場合、国内から支払われるか、或いは国内に送金された所得に対する制限納税義務 |
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非居住者 |
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居住者ではない個人 |
国内源泉所得制限納税義務 |
2. 住所の判定基準
住所は、国内で生計を共にする家族及び国内に所在する資産の有無など、生活関係の客観的事実により判定します。その具体的な判定基準は以下の通りです。
国内に住所をおいているとみなされる場合 |
国内に住所がないとみなされる場合 |
□ 継続して183日以上国内に居住することを必要とする職業を持っている場合 □ 国内に生計を共にする家族がおり、その職業及び資産状態に照らして継続して183日以上国内に居住することと認められる場合 |
□ 外国国籍をもっているか、或いは外国法令によりその外国の永住権を得た者で、国内に生計を共にする家族がおらず、その職業及び資産状態に照らして再び入国して国内に居住することと認められない場合 |
3. 居所の概念及び居住期間の計算
居所とは、住所地以外の場所のうち、相当期間にかけて居住する場所で、住所のように密接な一般的生活関係が形成されていない場所を言います。
外国人が国内に居所をおいた期間、即ち、居住期間の計算は国内に入国した日の翌日から出国した日までです。この際、国内に居所をおいている期間が2課税期間にかけて183日以上の場合も、国内に183日以上居所をおいているとみなされます。
但し、国内に居所をおいていた個人が、出国後再度入国した場合に、生計を共にする家族の居住地や資産所在地などに照らし、その出国目的が観光、疾病の治療などと明白に一時的なものと認められる場合は、その出国した期間も国内に居所をおいていた期間に含まれます。
区分 |
居住期間の計算 |
原則 |
入国した日の翌日から出国した日 (例) 入国 2015.07.01、出国 2016.09.30 → 居住期間:2015.07.02~2016.09.30 |
例外 |
国内に居所をおいている個人の一時的な出国 (例) 入国 2015.01.01、一時出国 2015.07.05、入国 2015.07.20、 出国 2015.12.31 → 居住期間:2015.01.02~2015.12.31 |
4. 住所及び居住者判定の特例
(1) 外航船舶・航空機の乗務員
その乗務員と生計を共にする家族が居住する場所、又はその乗務員が勤務期間外の期間中に通常滞在する場所が国内にある場合、その乗務員の住所は国内にあるものとみなし、その場所が国外にある場合は、その乗務員の住所は国外にあるものとみなします。
(2) 海外現地法人などの役職員
居住者や内国法人の国外事業場、又は海外現地法人(内国法人が発行株式総数の100%を直間接的に出資した場合)などに派遣された役員、又は職員は居住者とみなします。
(3) 海外勤務中の公務員
国外で勤務する公務員は居住者とみなします。
5. 居住者、又は非居住者となる時期
非居住者が居住者となる時期 |
居住者が非居住者となる時期 |
□ 国内に住所をおいた日 □ 継続して183日以上国内に居住することを必要とする職業を持った時 □ 国内に生計を共にする家族がおり、その職業及び資産状態に照らして継続して183日以上国内に居住すると認められる時 □ 国内に居所をおいた期間が183日となる日 |
□ 居住者が住所、又は居所の国外移転のため出国する日の翌日 □ 国内に住所がないとみなされる事由が発生した日の翌日 |