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【韓国の会計・税務レポート】新型コロナウィルス関連の税制支援

 

新型コロナウィルスの拡散により国内・外の経済活動が大きく委縮されたことによる、事業主と勤労者への被害を減らすための各種支援政策が発表されました。

 

今回は、新型コロナウィルスの被害を受けた地域又は業種を一時的にでも税制上支援するため、去る3月に改正された租税特例制限法(以下、「租特法」と言う)についてご紹介します。

 

 

1.店舗賃貸料を引下げた賃貸事業者に対する税額控除(租特法第96条の3)

 

民間の自発的な賃貸料引下げキャンペーンを支援するために改正された規定で、不動産賃貸業の事業者登録をした店舗賃貸人が、当該店舗の賃借人に対し、2020年1月1日から6月30日まで当該賃貸料を引下げた場合、その引下額の50%に相当する金額を、所得税又は法人税から控除します。但し、2020年2月1日から12月31日までの期間中に、今までの賃貸料や保証金より引上げられた場合は、税額控除を適用しません。改正された規定は、2020年1月1日の属する課税年度分から適用されます。

 

 

2.感染病被害による特別災難地域の中小企業に対する法人税等の減免(租特法第99条の11)

 

新型コロナウィルスの拡散により被害が発生し、特別災難地域と宣布された地域(大邱市、慶尚北道清道等)に事業場をおいている中小企業に対する支援です。

 

2020年6月30日の属する事業年度において、該当する事業場で営む事業で発生した所得に対する所得税又は法人税に対し、一定減免比率(小企業:60%、中企業:30%)を乗算した税額相当額が減免されます。減免限度は2億ウォンとしていますが、但し、当該事業年度の常時勤労者数が直前事業年度の常時勤労者数より減少した場合は、減少した常時勤労者1名当り5百万ウォンを2億ウォンから減算した金額が限度となります。

 

 

3.小規模個人事業者に対する付加価値税の減免(租特法第108条の4)

 

減免を受けようとする課税期間の財貨、又は役務の供給価額を合わせた金額が4千万ウォン以下の小規模個人事業者(不動産賃貸業、又は遊興酒店業は除く)が、2020年12月31日までの間に財貨又は役務を供給した分について確定申告を行う場合、付加価値税納付税額を簡易課税者水準に減免します。

 

 

4.簡易課税者に対する付加価値税納付義務の免除(租特法第108条の5)

 

納付義務免除を受ける課税期間の供給代価の合計額が3千万ウォン以上4千800万ウォン未満の簡易課税者(不動産賃貸業、又は遊興酒店業は除く)が、2020年12月31日までの間に財貨又は役務を供給した分に対しては、付加価値税納付義務が免除されます。従来は、供給代価の合計額が3千万ウォン未満の場合にのみ納付義務が免除されましたが、一時的に調整されました。

 

上記の3.と4.の改正規定は、零細個人事業者のみを支援するためのもので、2020年に限って適用されます。

 

 

5.自動車に対する個別消費税の減免(租特法第109条の4)

 

自動車に対する内需の活性化と、自動車産業の活力を高めるために改正されました。

 

自動車(乗用車、キャンピングカー、二輪車)を2020年3月1日から6月30日までの間に製造工場から搬出したか、或いは輸入申告をした場合は、個別消費税の70%を減免し、その限度は100万ウォンとなります。個別消費税の減免により、個別消費税の付加税目である教育税及び付加価値税も減免されるため、最大減免額は143万ウォンとなります。

 

 

6.クレジットカード等使用金額に対する所得控除(租特法第126条の2第2項)

 

経済活性化のための民間消費を誘導するため、3月1日から6月30日までの間にクレジットカード等で決済した金額に対する所得控除率を調整しました。

現行

改正

  • o クレジットカード等使用金額の所得控除
  • o 2020年3~6月使用分の控除拡大

¡ (控除対象)総給与の25%超過使用金額

¡ (同左)

¡ (控除率)決済手段・対象により15~40%

¡ 2020年3~6月使用分に対し控除率を2倍拡大

(1)  クレジットカード:15%

(1)  クレジットカード:30%

(2)  現金領収証・デビットカード・プリペイドカード等:30%

(2)  現金領収証・デビットカード・プリペイドカード等:60%

(3)  図書・講演・博物館・美術館使用分:30%
(総給与7千万ウォン以下者にのみ適用)

(3)  図書・講演・博物館・美術館使用分:60%
(総給与7千万ウォン以下者にのみ適用)

(4)  伝統市場・大衆交通使用分:40%

(4)  伝統市場・大衆交通使用分:80%

 

 

7.交際費の損金不算入特例(租特法第136条第4項及び第5項)

 

上記の6.が民間消費の拡大を通じた経済活性化の一つであるなら、以下の改正規定は企業支出を拡大させるための支援です。即ち、企業の消費支出が小売業者等の売上拡大に繋がるよう、交際費の限度額を一時的に調整しました。

 

現行

改正

  • o 交際費の損金算入限度
  • o 損金算入限度の一時的調整

¡ 基本限度

- 一般企業:1,200万ウォン

- 中小企業:3,600万ウォン

¡ (同左)

¡ 売上高別追加限度

¡ 売上別追加限度調整(2020年一時適用)

売上高区間

限度

100億ウォン以下

0.3%

100億ウォン超過
500億ウォン以下

3千万ウォン
+(100億ウォン超過分の0.2%)

500億ウォン超過

1億1千万ウォン
+(500億ウォン超過分の0.03%)

 

売上高区間

限度

100億ウォン以下

0.35%

100億ウォン超過
500億ウォン以下

3千5百万ウォン
+(100億ウォン超過分の0.25%)

500億ウォン超過

1億3千5百万ウォン
+(500億ウォン超過分の0.06%)

 

 

- 以上 -

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