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【韓国の会計・税務レポート】2021年度国税行政運営方案

 

国税庁は2021年1月28日に全国税務官署長会議を開催し、「2021年国税運営方案」を確定・発表しました。今回の会議はコロナの状況を考慮し、非対面式画像会議方式で進行されました。

 

国税庁は、‘わかりやすい税政運営により、スピーディーかつ強い経済回復及び民生経済の安定を強力に裏付ける一方で、新しい未来10年を先導するための国税行政革新を推進する’との戦略の下、以下の4つの核心推進課題を発表しました。

 

l  国民経済活力:スピーディー、かつ強い経済回復及び民生経済の困難さ解消を支援

l  誠実納税支援:納税サービスの再設計により非対面中心の‘デジタル税政’へ転換

l  公正税政実現:反社会的脱税行為に調査力量を集中

l  未来税政先導:新しい10年に備えて中長期戦略の樹立

 

以下では上記課題の主な内容を紹介します。

 

1.国民経済活力

 

(1) 税務調査件数の縮小

 

経済回復を税政により積極的に支援するために、税務調査を縮小して納税者の税務負担を軽減させる予定です。コロナ禍前は年間16,000件余りの税務調査を実施していましたが、昨年は14,000件余りに減少し、今年も昨年と同程度で実施される予定です。特に、零細自営業者及び小商工人に対する税務調査を2021年末まで猶予し、中小企業に対する税務調査は、現場調査期間を原則50%以下に制限して実施されます。

(2) 民生経済回復を支援

 

コロナによる個人事業者の負担を解消するため、当初2021年1月25日までであった2020年第2期確定付加価値税申告納付期限が1ヶ月延長されました。勤労奨励支援金の申請もモバイルで容易に申請できるように改善され、支給も早期に行われる予定です。

 

 

2.誠実納税支援

 

申告・納付等の国税サービスを非対面で便利に利用できるよう、よりアップグレードされたホームタックス(HOMETAX[1])が推進され、納税者の類型・特性に合わせた納税手続きと情報を受けることができます。

 

 

3.公正税政実現

 

(1) 新型好況業種と民生侵害分野に対する対応

 

コロナにより反射的利益を享受する好況業種とメディアコンテンツ創作者の誠実申告可否を徹底的に検証し、違法私金融等のような民生侵害分野に対して厳格に対応する方針です。

 

(2) 変則的脱税に対する調査力量の集中

 

企業の資金を不当に流用して違法な相続や贈与をする行為及び贅沢消費に使用する変則的脱税を根絶し、新種の金融技法を活用して無税の財産承継に対しても厳しく調査することを明らかにしました。

 

(3) 域外脱税の遮断

 

特殊関係にある海外法人持分の変則的贈与、仮想資産を通じた国外財産の隠匿行為等新種の域外脱税類型を発掘して対応する予定です。また、多国籍企業の移転価格操作や恒久的施設の回避のような攻撃的租税回避に対し強力に対処するとのことです。

 

 

4.未来税政先導

 

アフターコロナの未来環境の変化、即ち、デジタル経済への転換により新たに登場する資産・決済手段に対する課税インフラを構築し、デジタル技術に基づく申告支援サービス及び税源管理サービスを推進すると明らかにしました。

 

- 以上 -


[1] 国税庁が運営している納税自動化システムで、同システムを利用すると、電子民願、電子申告、電子告知、課税資料提出、電子納付・照会等の納税業務を、税務署を訪問せず、インターネットを利用して事務室や家庭で処理することができます。

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