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財務諸表を読もう:その他の財務諸表

社会の一構成員という観点で考えると、現代社会において企業の役割はますます大きくなっています。単に、経済社会の一部として企業自体の役割を遂行するだけではなく、国全体の経済力を左右するといっても過言ではありません。海外市場におけるサムスン電子や現代自動車の動向に韓国経済が一喜一憂する様子は、社会における企業の地位を如実に示していると言えるでしょう。

 

経済社会において企業の影響力が大きくなることは、同時に利害関係者が増大することを意味します。企業情報は、株主や役員、従業員はもちろん、取引先や債権者、政府などの利害関係者に直接、または間接的に影響を及ぼすことになります。利害関係者はより詳細な情報を求めるため、財政状態や経営状況を明示する会計情報の重要性はより大きくなっていると言えます。最近では、個人投資家も(韓国では彼らを『蟻:アリ』投資家とも呼びます)公表される財務諸表に基づいた分析を行い、意思を決定することもあるようです。

 

ただ、多くの人にとって財務諸表とは、貸借対照表と損益計算書に限定される傾向にあります。もちろん、貸借対照表と損益計算書が、企業の財政状態と経営成績を表す重要な情報であることに異論はありません。しかし、国際会計基準上の財務諸表は貸借対照表と損益計算書だけでなく、これに資本変動表とキャッシュフロー計算書および注記を含めた5つの情報で構成されており、それぞれの情報は有機的な関連を持っています。従って、今回取り扱う(1)資本変動表、(2)キャッシュフロー計算書、(3)注記は、貸借対照表と損益計算書には反映されない企業情報を与えてくれる重要な資料となります。

 

(1)資本変動表

資本変動表(株主持分の変動計算書)は、持ち分資本の変動に関する財務諸表です。株主から提供された資本および利益剰余金とその他資本項目に対する包括的な情報を示しているため、貸借対照表上における資本項目の増減を知ることができます。また、利益剰余金項目とその他資本項目を損益計算書と比較することによって、持ち分の増減理由を把握することも可能です。国際会計基準における資本変動表については、旧企業会計基準と変わりはありません。

(2)キャッシュフロー計算書

企業活動は、その目的は異なれど現金を必要とします。営業活動や債務償還、配当などの場合がそうです。そのため、利害関係者は企業がどのように現金を創出し、どのように使用するかに関する情報を求めます。このような情報を充足させるために作成されるのが、キャッシュフロー計算書です。国際会計基準におけるキャッシュフロー計算書は、一定期間に発生したキャッシュ・フローを営業活動、投資活動および財務活動に分類しています。それによって、情報利用者は現金の源泉(営業活動、投資活動等)を知ることができるわけです。旧企業会計基準とは異なり、国際会計基準では、利息と配当金に関する分類を企業が選択して分類するようになりました。

(3)注記

注記は、財務諸表の本文に表示される項目を具体的に細分化し、その他数字で表現できない重要情報を提供します。特に、国際会計基準では、財務諸表の本文が簡略化された一方、これを補充説明する注記内容は増え、注記情報の重要性が大きく増加しました。国際基準を早期導入した企業の財務諸表を分析した結果、貸借対照表と損益計算書の勘定科目数が60%程度減少した反面、注記のページ数は70%程度増加しています。流動性リスクや金利リスク等に対する企業の管理政策や、為替レートなどの変動が当期純利益に及ぼす感度分析といった、投資に有用な情報が新たに注釈に追加されました。従って、財務諸表からより有用な情報を得るためには、各勘定科目と注記を連携させて財務諸表を見ることが必須となっています。

 

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