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【韓国の会計・税務レポート】非上場株式の評価方法について

韓国の証券取引所に上場されていない株式、又は出資持分を非上場株式と言います。非上場株式は、評価基準日現在における時価で評価し、ここで時価とは、不特定多数人の間で自由に取引される価額を言います。仮に、このような非上場株式の時価を算定し難い場合、韓国の相続税及び贈与税法(以下、「相贈税法」という)では、補充的評価方法により評価した金額を時価とみなすことと規定しています。

今回は、相贈税法で規定している非上場株式の補充的評価方法について説明します。

 

1. 補充的評価方法


(1) 原則

非上場会社の1株当りの純損益価値及び1株当りの純資産価値をそれぞれ3対2の比率で加重平均するが、算式にすると下記の通りです。

1株当りの価額

=

1株当りの純損益価値 × 3 + 1株当りの純資産価値 × 2

5

 

(2) 不動産過多保有法人の非上場法人が発行した株式

不動産過多保有法人(*)の非上場法人が発行した株式は、1株当りの純損益価値と1株当りの純資産価値をそれぞれ2対3の比率で加重平均して計算します。

1株当りの価額

=

1株当りの純損益価値 × 2 + 1株当りの純資産価値 × 3

5

(*) 不動産過多保有法人とは、土地、又は建物、不動産を取得できる権利、地上権、チョンセ権(貸切権)及び登記された不動産賃借権の合計額の占める比率が資産総額の50%以上の法人を言います。

 

(3) 精算手続きが進行中の法人など

下記に該当する場合、1株当りの価額は1株当りの純資産価値のみで評価します。

①    精算手続きが進行中の法人及び事業の継続が難しい場合

②    事業開始前の法人、事業開始後3年未満の法人及び休・廃業中の法人

③    評価基準日事業年度前3年内の事業年度から継続欠損の法人

 

1株当りの価額

=

1株当りの純資産価値

 

2. 1株当りの純資産価値の計算


1株当りの純資産価値は、評価基準日現在における非上場法人の資産総額から負債総額を減算した純資産価額を発行株式総数で割り算して計算します。

1株当りの純資産価値

=

評価基準日現在の純資産価額

評価基準日現在の発行株式総数

①    純資産価額 = 資産総額 – 負債総額 + 営業権評価額

純資産価額が‘0’以下の場合は、‘0ウォン’と評価します。

②    評価基準日

純資産価額の算定は、評価基準日現在の時点で評価します。

③    資産総額

貸借対照表上の資産価額

(+)   a. 評価差額:相贈税法上の評価金額と貸借対照表上金額との差額

b. 法人税法上留保金額

c. 有償増資額など

(-)   a. 前払費用のうち、評価基準日現在において費用と確定されたもの

b. 開発費

c. 繰延税金資産など

(=)   資産総額

④    負債総額

貸借対照表上の負債価額

(+)   a. 法人税、農漁村特別税、地方所得税:負債に計上されていない評価基準日現在まで発生した法人税など

b. 配当金、賞与金:評価基準日現在において株主総会で処分議決された株主に対する配当金及び役員に対する賞与金

c. 退職金推計額

(-)   a. 貸借対照表上の諸準備金の合計額

b. 貸借対照表上の諸引当金(貸倒引当金、退職給与引当金など)の合計額

(=)   負債総額

⑤    発行株式総数

評価基準日現在の発行株式総数を言い、自己株式数は除外します。

 

3. 1株当りの純損益価値の計算


純損益価値とは、評価基準日以前3年間の純損益額を資本に還元した価値で、評価対象である株式などを発行した非上場法人が継続企業で、将来の収益は過去の収益の流れを基準にするという前提の下で、過去3年間の純損益額を基準に評価することを言います。

1株当りの純損益価値

=

1株当りの直近3年間の純損益額の加重平均額

純損益価値還元率

①    1株当りの直近3年間の純損益額の加重平均額

= [評価基準日以前1年になる事業年度の1株当りの純損益額×3+2年になる事業年度の1株当りの純損益額×2+3年になる事業年度の1株当りの純損益額×1]×1/6

1株当りの純損益価値が‘0’以下の場合、‘0ウォン’で評価します。

②    純損益価値の評価

= 各事業年度の純損益額(**) / 評価基準日現在の発行株式総数

(**)

法人税法による各事業年度の所得金額

(+)   a. 国税・地方税の過誤納金の還付金に対する利息

b. 内国法人・持主会社の収入配当金に対する益金不算入額

c. 寄付金限度超過繰越額の損金算入額など

(-)   a. 当該事業年度の法人税額及びそれと関連した農漁村特別税額及び地方所得税額

b. 各税法で規定することによって徴収不履行に納付したか、或は納付する税額

c. 損金不算入される課金

d. 罰金・過料・加算金及び滞納処分費

e.   過多経費などの損金不算入額

f. 業務無関連費用

g. 寄付金や交際費の損金不算入額

h. 支払利息損金不算入額など

(=)   各事業年度の純損益額

③    純損益価値還元率

金融機関が保証した3年満期会社債の流通収益率を勘案して企画財政部長官が定めて告知する利息率で、現在は10%です。

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