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【韓国の会計・税務レポート】2014年主要税法施行令改正 (2)

2014年1月1日改正税法発表により、2014年2月21日に改正税法施行令が最終公布されました。

 

先月には2014年1月に入法予告された税法施行令改正(案)を土台に、法人税、所得税及び付加価値税の税法施行令改正(案)について説明しました、今回には2014年2月21日に最終公布された内容を土台に、租税特例制限法施行令及び国際租税分野施行令の主要改正令について説明します。

 

1. 租税特例制限法施行令

 

(1) 外国人勤労者課税特例範囲規定(租特令第16条の2)

 

租税特例制限法(以下、租特法)第18条の2が改正されたことにより、特殊関係企業に勤労を提供する外国人勤労者は、単一税率(17%)の特例の適用を受けることができなくなりました。施行令の新設により、外国人勤労者の課税特例が制限される特殊関係者の範囲及びその例外対象となる外投企業の範囲を明確にしました。

現行

改正

<新設>

 

□  外国人勤労者単一税率特例適用が除外される特殊関係企業の範囲

✓  (法人企業勤務の場合) 外国人勤労者が直・間接的に経営権を行使(持分 30%以上)する法人

✓  (個人企業勤務の場合) 外国人勤労者と親族関係にある雇用主が経営する個人企業

□  特殊関係者の場合でも課税特例が適用される外国人投資企業の範囲

✓  外国人投資促進法による外国人投資企業で、法人税等の減免要件(業種、地域、投資金額等)を備えた外国投資企業

※外国人投資企業減免要件を備えた場合、減免期間経過等により、現在は減免を受けない場合にも適用

(適用時期) 2014.1.1以降発生する所得分から適用

 

(2) 中小企業判定時に関係企業の判断時点を明確化(租特令第2条第4項)

 

今までは、国税庁の解釈のみにより関係企業の支配・従属関係の判断時点を当該事業年度の終了日として適用しましたが、施行令の改正により判断時点を課税年度終了日と明確にしました。

現行

改正

□  中小企業の判断

判断基準

判断時点

売上高

課税年度終了日

資産総額

自己資本

資本金

株式の間接所有比率

関係企業該当可否

明示規定なし

 

 

判断基準

判断時点

売上高

課税年度終了日

資産総額

自己資本

資本金

株式の間接所有比率

関係企業該当可否

課税年度終了日

 

(適用時期) 2014.1.1以降から適用

 

(3) 中小企業就業勤労者に対する税制支援(租特令第27条)

 

中小企業就業勤労者に対する所得税減免を、老人及び障害者にも税制支援範囲を拡大しました。

現行

改正

<新設>

□  中小企業就業者所得税減免対象

✓  60歳以上の者:勤労契約日現在60歳以上の者

✓  障害者

※役員、最大株主、直系尊・卑属、日用勤労者等に対しては適用排除

(適用時期) 2014.1.1以降発生する所得分から適用

 

(4) 雇用創出投資税額控除等 常時勤労者数計算方法の明確化(租特令第23条第8項等)

 

合併・分割等の構造改編により常時勤労者数が変わらないよう、当該年度常時勤労者の計算方法を明確にしました。

現行

改正

□  雇用創出投資税額控除、雇用増加人員に対する社会保険料税額控除常時勤労者数計算

✓  常時勤労者数 =

当該期間の毎月末現在の常時勤労者数の合計/当該期間の月数

 

✓  合併ž分割等の場合

<直前年度常時勤労者数>

–      (承継させた企業)直接課税年度常時勤労者数に承継させた常時勤労者数減算

–      (承継した企業)直接課税年度常時勤労者数に承継した常時勤労者数加算

<追加>

 

 

 

✓  常時勤労者数 =

当該課税年度の毎月末現在の常時勤労者数の合計/当該課税年度の月数

✓  同左

 

 

 

 

 

 

 

<当該年度常時勤労者数>

–      当該課税年度開始日に常時勤労者を承継させるか、或いは承継したとみなして計算した数

(適用時期) 2014.1.1以降開始する事業年度から適用

 

(5) 技術革新型合併・株式取得に対する税額控除対象規定(租特令第11条の3、第11条の4)

 

租特法第12条の3が新設されたことにより、技術革新型合併・株式取得に対し支払った引受価額のうち、技術価値金額の10%を法人税から控除することができるようになりました。施行令の新設により、技術革新型中小企業の範囲及び技術価値金額の評価方法を明確にしました。

現行

改正

<新設>

□  技術革新型中小企業の範囲

✓  ベンチャー企業特別法上ベンチャー企業として確認を受けた企業

✓  売上高対比R&D費用が5%以上である企業(直前事業年度基準)

□  技術価値金額の評価(①、又は②)

① ベンチャー企業特別法上評価機関の評価金額

② 引受価額 – [(純資産時価×1.3)×持分比率]

(適用時期) 2014年1月1日以降合併・取得する分から適用

 

(6) 非上場株式交換特例対象 戦略的提携要件等の新設(租特令第43条の7)

 

租特法第46条第7項が改正されたことにより、非上場ベンチャー企業等の株主が戦略的提携のため株式交換を行った場合、交換株式処分時まで譲渡所得税を繰延べることができるようになりました。非上場ベンチャー企業等とは、非上場ベンチャー企業、または売上高対比R&D投資比重が5%以上の非上場中小企業です。施行令の新設により、戦略的提携の定義及び提携要件を明確にしました。

現行

改正

<新設>

□  戦略的提携要件等の新設

✓  (戦略的提携の意味) ベンチャー企業の生産性向上及び競争力強化等を目的に技術・施設・情報・人力。または資本などの分野で他企業の株主、または他ベンチャー企業と強力関係を形成することを意味

✓  (戦略的提携の要件):①~④を全て充足

① ベンチャー企業と他法人(提携法人)が契約当事者であること

② 提携対象の事業内容が実現可能でかつ具体的であること

③ 提携事業で発生する損益の分配方法を定めること

④ 技術・情報・施設・人力及び資本などの強力に関する事項を含めていること

(適用時期) 2014年1月1日以降株式交換等を行う分から適用

 

2. 国際租税分野施行令

 

(1) 受動的所得に対する特定外国法人留保所得合算課税制度の適用基準新設等(国租令第36条の6新設)

 

国際租税調整に関する法律(以下、「国租法」という)第18条第5項が新設されたことにより低税率国に子会社を設立して所得を留保する場合、その留保所得は配当したこととみなして課税(CFC(Controlled Foreign Company)制度)することができるようになりました。施行令の新設により受動所得の比率及び留保受動所得の算出方法などを明確にしました。

現行

改正

<新設>

□  適用基準

✓  受動所得の比率が総収入金額の5%~50%である場合

□  流動受動所得の算出方法

特定外国法人の配当可能な留保所得

X 受動所得/総収入金額

□  受動所得計算時に除外される所得

✓  特定外国法人が10%以上保有した株式で発生した配当所得

(適用時期) 2015年1月1日以降開始される事業年度から適用

 

(2) 海外金融口座申告違反金額の出処疎明方法等(国租令第50の3新設)

 

国租法第34条の3が新設されたことにより、海外金融口座資産が10億ウォンを超過する場合、当該口座を保有している内国法人及び居住者はその内訳を申告しなければなりません。施行令の新設により、申告義務を違反した場合、申告していない金額の出処を80%以上のみ疎明しても口座全部を疎明したこととみなされる基準を提示することにより、納税者の便宜を考慮しました。

現行

改正

(新設)

□  疎明方法

✓  申告義務違反金額の出処を80%以上疎明した口座は、全部疎明したこととみなされる。

(適用時期) 2014年現在に保有している海外金融口座の2015年申告分から適用

 

(3) 海外直接投資等に対する資料提出義務の強化(国租令第37条)

 

海外現地法人に対する課税情報の確認を強化するため、現地法人等の巨額損失取引に対しても報告が行われるよう、報告義務が新設されました。施行令の新設により、提出対象損失取引及び資料未提出時に発生する過料について明確にしました。

現行

改正

□  現地法人明細書、財務状況表提出

✓  対象:CFC適用対象海外現地法人(法人のみ提出)

 

 

 

 

 

 

 

□  未提出時に過料(法人のみ賦課)

(追加)

✓  課税官庁の資料提出要求(補完要求を含む)不履行:300万ウォン

□  損失取引明細書の追加提出

✓  対象:特殊関係のある海外現地法人(個人も提出)

✓  提出対象損失取引

–      会計上、件別損失金額が単一年度50億ウォン(個人10億ウォン)以上、または5年間累積100億ウォン(個人20億ウォン)以上

–      資産の処分、評価、負債認識及び財産贈与などによる損失で、非経常的取引の損失

□  過料強化(個人にも賦課)

✓  資料未提出:500万ウォン(個人300万ウォン)

✓  課税官庁の資料提出要求(補完要求を含む)

不履行:500万ウォン(個人300万ウォン)

(適用時期) 2014年1月1日以降開始する事業年度から適用

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