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【韓国の会計・税務レポート】外国事業者に対する付加価値税の還付

ドイツ等の主要なEU諸国において、相互主義に基づき付加価値税を還付している点を勘案し、韓国の税法でも、国内事業場を持たない外国事業者が、韓国で事業上の目的のために各種財貨や役務の購入又は提供を受ける場合に、負担した付加価値税を還付する制度(租税特例制限法第107条第6項)を設けています。

 

今回は、外国事業者が韓国での事業に関連して負担した付加価値税の還付を受けるための要件及び申請方法等について説明します。

1. 外国事業者の定義

 

付加価値税の還付制度の適用を受けることができる外国事業者とは、韓国内に固定事業場を有しておらず、外国で事業を営む外国法人及び非居住者を意味します。外国事業者が事業者であることが証明される場合には、外国で営む事業が韓国の付加価値税法等により免除されている事業である場合であっても、当該外国事業者が韓国内で事業上の供給を受けた財貨や役務に関連した付加価値税は全額還付を受けることができます。

 

但し、外国事業者に対する付加価値税の還付は、相互免除主義により当該外国の中でも、韓国の付加価値税と類似した性質の租税の還付を行っているか、若しくは、韓国の付加価値税と類似した性質の租税がない場合に限り適用を受けることができ、これに該当する国に属する外国事業者に対してのみ付加価値税の還付を受けることができます。

 

相互免除主義により、韓国の事業者に付加価値税と類似した性質の租税の還付を行っている国には、日本、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス及びオランダ等があり、韓国の付加価値税と類似した性質の租税がない国には、米国、香港及びベトナム等があります。

 

2. 還付対象の財貨又は役務

 

付加価値税の還付対象の財貨又は役務は、韓国内で提供を受けたものに限り適用され、具体的な範囲は次の通りです。

 

1) 飲食・宿泊役務

2) 広告役務

3) 電力・通信役務

4) 不動産賃貸役務

5) 外国事業者の韓国内連絡事務所の運営及び維持に必要な財貨又は役務で、以下に該当するもの

①    韓国内の連絡事務所用建物・構築物及び当該建物・構築物の修理役務

②    事務用器具・備品及び当該器具・備品の賃貸役務

 

3. 付加価値税の還付申請方法

 

(1) 還付対象期間及び範囲

付加価値税の還付を受けようとする外国事業者が1月1日から12月31日までに供給を受けた財貨又は役務に対する付加価値税額。但し、1暦年の還付金額が30万ウォン以下の場合には、申請対象範囲に該当しません。

 

(2) 申請期限、申請官署及び申請権者

還付を受けようとする還付対象期間の翌年6月30日までに、ソウル地方国税庁長(納税1課長)に直接、又はソウル地方国税庁長が指定した代理人を通して申請します。

付加価値税の還付申請期限を経過して還付申請を行った場合には、付加価値税の還付を受けることができません。

 

(3) 還付申請時の提出書類

付加価値税の還付を受けようとする外国事業者は、以下の書類を提出しなければなりません。

①    外国事業者取引内訳書及び付加価値税還付申請書

②    事業者登録証明願

③    取引内訳書

④    税金計算書の原本(クレジットカードの売上伝票含む)

⑤    代理人を通して申請する場合、その委任状

⑥    質問表

⑦    当該外国事業者の使用人が財貨や役務の供給を受けて交付された税金計算書等が、当該外国事業者の事業と関連したものであることが証明できる書類等

 

4. 付加価値税還付

 

還付申請を受けたソウル地方国税庁長は、申請日の属する年度の12月31日までに取引内訳を確認した後、当該取引に関連する付加価値税を外国事業者に還付しなければなりません。

ソウル地方国税庁長は、取引内訳が確認された還付申請分について南大門税務署長に通知し、南大門税務署長は、通知を受けた国税還付金を還付申請者である外国事業者又はその代理人に支給します。

 

 

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