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2012年主要税法改正案

去る8月、韓国の企画財政部は2012年税法改正案を発表しました。今回は、2012年税法改正案の外国人非居住者及び外国人投資企業を中心にご案内します。

 

. 外国人及び非居住者関連

 

1. 外国人勤労者に対する課税特例適用期限延長及び税率調整

 

外国優秀人材誘致及び外国人投資活性化のため、外国人勤労者は所得税率特例制度を選択して適用できます。

 

外国人勤労者単一税率特例制度とは、外国人勤労者が韓国内で勤務することにより支払を受ける勤労所得の所得税計算において、韓国所得税法の課税体系適用を全面的に排除し、勤労所得に単に15%(地方所得税1.5%は別途)を乗じた金額を税額として分離課税する制度を言います。

 

仮に外国人勤労者が単一税率特例制度を選択する場合は、韓国の所得税法の非課税、勤労所得控除及び人的控除をはじめとする各種所得控除及び税額控除が適用されないため、外国人に対する勤労所得計算が単純になります。

 

なお、当該制度の適用期限は2012年12月31日まででしたが、今回の税法改正案で適用期限が2014年12月31日まで2年間延長されました。但し、特例税率は15%から17%に引上げられました。

 

2. 非居住者の贈与税課税範囲拡大

 

現行税制において、非居住者の贈与税課税対象は韓国内所在財産に限られています。しかし、今回の税法改正案では国内所在財産だけでなく、居住者より贈与を受けた海外金融口座資産及び国内財産を50%以上保有する海外法人の株式も含まれることになりました。

 

3. 非居住者及び外国法人の長期外貨定期預金に対する税制支援

 

外貨の長期安定的調達のため、非居住者及び外国法人が2015年12月31日まで加入する満期1年以上の外貨定期預金に対する利子所得税が免除されます。但し、定期預金の契約期間満了まで元金及び利息の引出しがないことが条件で、契約期間満了日以後に発生する所得に対しては課税されます。

 

なお、現在は国外発行外貨表示債権の利子所得及び金融会社の国外発行外貨表示手形の利子に限って、利子所得税が免除されています。

 

 

Ⅱ. 外国人投資企業関連

1. 租税減免対象外国人投資から貸付金を除外

 

韓国では外国人投資促進法に基づく外国人投資について、韓国内で高度技術随伴事業を営むか、或いは外国人投資地域に入居して工場施設を新設する場合など、一定要件を充足する場合に租税特例制限法により法人税、所得税、取得税、登録税及び関税などの租税を減免しています。減免税額は以下の通りに計算します。

 

減免税額 = 算出税額 × (減免対象事業課税標準/課税標準) × 外国人投資比率

× 該当課税年度減免率(100%又は50%)

 

しかし、今回の税法改正案では形式的な外国人投資による不当な租税減免を防止するため、以下に該当する金額は租税減免対象となる外国人投資金額から除外することになりました。

–       減免決定前に外国人投資法人又は内国人株主が外国投資者に貸付けた金額

–       減免決定後に外国人投資法人が外国投資者に貸付けた金額

 

2. 外国人投資企業の減免税額追徴制度の補完

現行税法における減免税額の追徴事由及び追徴税額は以下の通りです。

減免税額追徴事由

追徴税額

外国人投資家が減免開始後3年以内に株式譲渡時

減免税額 ×(1-経過月数/36) × 株式譲渡比率

外国人投資企業登録抹消、廃業、租税減免基準不充足、是正命令不履行時

遡及して5年(課税3年)以内の減免税額

 

今回の税法改正案では減免税額の追徴を強化しており、追徴事由を具体化しました。

 

(1) 株式譲渡時の追徴強化

– 法人税:減免期間(5~7年)内の譲渡時に遡及し、5年以内の減免税額 × 株式譲渡比率

– 関税:取得後3年内の減免税額のうち、譲渡後に外国人投資家の残余出資金額範囲を超過する資本財に対する減免税額

 

(2) 租税減免基準不充足事由の具体化

投資金額、業種、施設設置及び雇用人員基準違反時に追徴事由に該当することが明確になりました。

 

. その他主要改正案

1. 交際費限度調整

 

現在交際費の限度額は「1,200万ウォン(中小企業の場合は1,800万ウォン) + (売上高×設定率(注))」であり、売上高基準の限度計算時に特殊関係企業に対する売上高については設定率に20%を乗じた金額のみ認定しています(売上高×設定率×20%)。しかし、企業透明性を高めるため特殊関係企業に対する売上高については10%のみを認定することになりました。

 

(注)交際費限度設定率

売上高

設定率

100億ウォン以下

0.2%

100億ウォン超過500億ウォン以下

0.1%

500億ウォン超過

0.03%

 

2. 福利厚生費の範囲拡大及び明確化

 

現行法人税法では福利厚生費の範囲について職場体育費、職場演芸費、自社株組合運営費、職場保育園運営費及びその他社会通念上妥当と認められる慶弔事費などを列挙しており、これに該当する費用以外は損金認定していません。

 

今回の税法改正案では内需活性化支援及び勤労者福利厚生増進のため、損金認定される福利厚生費の範囲に派遣勤労者に支払った福利厚生費も含め、職員会食費は損金認定される福利厚生費(職場演芸費)に含まれることを明確にしました。

 

3. 株式譲渡差益の課税範囲拡大

 

現在上場(有価証券市場及びコスダック市場)株式については、大株主が株式を譲渡する場合と、市場外で譲渡する場合にのみ株式譲渡差益に対する所得税を賦課しています。

 

今回の改正税法では課税実効性を高めるため、大株主の範囲を拡大しました。但し、コスダック市場は市場の不況を勘案して現行通りで維持しました。

 

区分

有価証券市場

コスダック市場

持分率

時価総額

持分率

時価総額

現行

3%以上

100億ウォン以上

5%以上

50億ウォン以上

改正

2%以上

70億ウォン以上

現行維持

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