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財務諸表を読もう:財務状態計算書の構成

最近、韓国で会計関連業務を行う人たちが最もよく触れる単語は何だと思いますか?それは「韓国採択国際会計基準(K-IFRS)」です。最近の韓国の新聞や経済誌に載っている会計関連の記事を見ると、詳細な部分は少し違うものの、大部分は国際会計基準に関する記事です。また、書店内の経済・経営コーナーを回っても、目立つ場所には常に国際会計基準に関する本が並んでいます。筆者は業務上さまざまな企業の会計担当者と会う機会が多いのですが、その際にもこの話題についてよく話し合います。これまでは相対的に関心が低かった日本系企業のクライアントに関しても、国際会計基準という単語を口にする頻度が徐々に高まっているようです。

 

会計は、企業を表現する言葉だともいいます。このような重要な言葉に対し、その言葉の体系を完全に新しい枠に変えたことは注目すべきであり、このように話題になることは当たり前かもしれません。

 

第1四半期(1~3月)の実績発表以降、上場企業を中心に沸き起こった株式および金融市場の大きな混乱は、今少しずつ安定してきているように思われます。これは、韓国経済が国際会計基準という新しい言葉を少しずつ理解し始めたということではないでしょうか。今後、国際会計基準を導入した韓国の企業と疎通し、理解しようとする方は、必ず国際会計基準について少しずつでも学ぶ必要があります。

 

国際会計基準に対する理解は財務諸表、包括損益計算書、資本変動表、キャッシュフロー表および注釈で構成されるということから始まります。では、今回は財務状態計算書の構成について旧企業会計基準(K-GAPP)との違いを比較する方法を見てみましょう。

 

財務状態計算書は、特定時点の企業の資産、債務および資本の残高を表す財務諸表です。しかし、その内容の構成および表示方法において少し違いがあります。旧企業会計基準では、貸借対照表の各勘定科目に対して配列方法および区分方法などを具体的に明示している一方、国際会計基準は、財務状態計算書に表示される最小限の勘定科目を提示することで財務諸表の詳細順序や形式を規定しています。従って、国際会計基準を導入した企業は自分が営む事業の特性に合わせて財務状態計算書の勘定科目を区分して表示することができるようになりました。

 

例えば、今までほとんどの韓国企業の貸借対照表は、勘定科目を最も流動化しやすい現金および現金等価物から配列しました。しかし、国際会計基準を導入した韓国企業は、企業の財務状態を表示するにあたり、流動化しやすい順番の配列ではなく、ほかの配列も選択できます。すなわち、多様な事業を営む企業なら同様の理由で事業部門別に分けて一部は流動性の順番により表示し、ほかの一部は流動性と非流動性項目を区分して表示することもできるはずです。それぞれの方法を選択した理由が、企業の財務情報をもっと信頼性のある、目的適合性にかなったものにするためであれば、国際会計基準はこのように表示方法の多様性を認めています。

 

国際会計基準に慣れていない人にとっては、財務状態計算書を初めて目にした場合、分かりづらいかもしれません。また、一部の企業では当該企業の選択により、以前のように財務状態計算書の本文に勘定科目は詳しく区分せず、統合して表示しているかもしれません。その場合には、本文の裏に添付されている注釈を見れば詳細内訳を確認できるようになっています。今後、国際会計基準の下での注釈についても別の回で扱うと思いますが、国際会計基準では企業に財務諸表構成の自立性を付与した代わりに、作成方法や目的、理由などのさらに詳細な情報を注釈に記載するようになっています。今後、数多くの企業が多様な方法で作成した財務状態計算書を見て理解しにくいと思われる部分があった場合には、該当内容に対する注釈を確認してください。それにより、旧企業会計基準に比べて、より企業について具体的に理解することができると思います。

 

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